2013年3月29日金曜日

日本の空気



先日、気になるニュースを目にした。

3月27日、兵庫県小野市議会にて「福祉給付制度適正化条例」が可決され、4月1日から施行されることになったというものだ。

別名「パチンコ通報条例」とも呼ばれる条例で、簡単にいえば、生活保護を受けている人を市民を挙げて監視しようというものだ。

生活保護費の使い道に、議論のあるのは理解できるが、それを、江戸時代ではあるまいし、市民に「密告」させて監視しようというのは、私は賛成できない。

これまで多くの作家などが指摘してきていることだが、まさにこれは「日本の空気」の世界だ。

日本人のなかで、長い間、つちかわれきた「他人の目」だ。

もちろん、人が暴力を受けているのを、見て見ぬふりをしろというのではない。生活保護をギャンブルに使っていいかどうかは、あくまでも個人のモラルの問題だ。もし、友人にそういうことをする人物がいるならば、私も忠告するだろう。
しかし、市に通報して、取り締まってもろうという感覚はない。

この「他人の目」がどれほど、日本の歴史の中で陰湿な空気を作ってきたことか?

過去に全体主義をかかげて、戦争に突入したことと、この条例は無関係といえるだろうか?
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2013年3月27日水曜日

南海地震の被害予測

先日、久しぶりに関西大学の河田惠昭教授の講演を聴きに行った。

ご存知の通り、河田さんは、政府の巨大地震の被害予測などで活躍するリスクマネージメントの第一人者だ。

さきごろ、その河田さんらが、次の南海地震の被害想定を発表した。最悪の場合を見積もり、死者最大32万人、被害総額は220兆円を超えるとしている。

その数字は、想像をはるかに越えたものだ。ちなみに今回の東日本大震災の死者行方不明者は約2万人、経済被害は10倍にもなる。

これほどの経験を戦後の日本人はもちろん、受けたことがない。まさに「国難」だ。

河田さんは講演の中で、この国難について「日本衰退へのシナリオ」という表現でオーディエンスにアピールした。

江戸時代末期に起きた災害を引き合いに、国難に陥る可能性を説く。

その災害とは1854年12月に起きた安政南海地震。次に翌年1855年11月の安政江戸地震、そして1856年の安政暴風雨(台風)の3連続の災害だ。これらが原因で幕府は倒れたというのだ。けして、薩摩や、長州といった西国雄藩による革命で倒幕されたわけではないと、自論を展開した。

連続発生した大災害で、江戸幕府の屋台骨が揺らぎ、雄藩がその虚をついて維新になったというのだ。

同じことが、次の南海地震でもその国難になる可能性が高いと河田さんは指摘する。

一つ目が、2011年3月11日に起きた東日本大震災。二つ目が201X年に起きる首都直下地震。そして3つ目が201Y年に起きる南海地震だ。

はたして、次の国難をいまの日本の政府は乗り切ることができるのだろうか?


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2013年3月25日月曜日

西日本に来るたびに「あぁ、まだ過去がある」と思うんですね。


 この言葉は、人材育成コンサルタントの辛淑玉さんが今月9日に京都で開かれた「脱原発イベント」の中で語ったものです。
 
 彼女はさらに、こう続けます。



 「はっきり申し上げます、 『過去』です。
 もう西日本に来ると、『ああ、確かこんなような時代があったなぁ』と考えました。


 何も考えずに空気が吸えます。
 何も考えずに食材が買えます。
 『ここは何シーベルトか?』なんて考えることもありません。

 『ああ、いつか見た過去だな』
 そしてまた、東日本に行くと未来があります。
 私が原発に反対しようと確固たる意志を持ったのは、
 原発は核事故です。
 そしてその核事故は人間の身体を壊すのではなく、
 人間そのものを壊すんだという事が分かったからです」



 私個人が、原発事故以降、大阪という地にいて、いつも感じていた居心地の悪さを正に代弁してくれる言葉だった。

 時代は目に見えないが、確かに変わった。そして、もう後戻りできない状況であるにもかかわらず、人々は昔の生活を取り戻したようなふりしている。

 しかし、もうそこには、過去と同じ生活はない。その事実を認めることを恐れるがゆえに、アベノミクスなるものに狂喜乱舞する。まるで幕末の「ええじゃないか」踊りのように・・・。

2013年3月11日月曜日

震災の日~大阪から思うこと

 あの日から、2年が経った。大阪の街はなにもなかったかのように、平穏に生活が営まれている。

 阪神大震災のときもおなじだった。しかし、明らかに当時とは違うと思う。

 「震災」という同じことばで、一括りして、多くのマスコミは、1年、2年・・・と時間の経過を示すメモリアルなものとして報道しているが、はたして本当にそうだろうか?

 日常生活の忙しさに忙殺されて他人の事まで考えてられないという気持ちも理解できないわけではないが、東北で起きた震災は、単なる地震による被害ではない。地震と津波、そして原発による複合災害であるうえ、避難している被災者の中には、永久に故郷に帰れない人もいるのだ。

 原発近くの土地は、人がもう二度と踏み込んではいけない、開かずの間ならず「開かずの地」となる。

 これは福島の人たちだけの問題なのだろうか?いま、国を挙げて、尖閣でとやかくいっているが、私たち日本人自身が自ら、自分たちの土地を「廃棄」してしまったことと同じではないのだろうか?

 それだけではない。原発の廃炉、核廃棄物の処理と、ほとんど先の見えない対応に日本人全体が、思い十字架を背負わされていることに気付いていないのだろうか?

 アベノミクスと浮かれている場合ではない。<3・11>で、時代は変わってしまった。そのことに私たちはあの日、気がついたはずだ。

 もう同じ、道を歩みことはできないのだ。本当の新たな決意をしなければ、私たちはゴルゴタの丘を登ることこなる。

 
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2013年3月8日金曜日

福島の子どもたちへの影響

 今日は、先日出されたWHOの福島の被曝評価について考えてみたい。問題なのは、子供たちの甲状腺への影響だ。

 これに関して、福島県立医科大の山下俊一教授や鈴木真一教授が、子どもたちの甲状腺がんについて「被曝の影響ではない」と断定しているが、一部の専門家らから疑問の声を挙がり始めている。

 注目は疫学が専門の岡山大学大学院環境生命科学研究科の津田敏秀教授の話だ(甲状腺がん「被曝の影響、否定出来ず」〜疫学専門家インタビューhttp://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1549)。これまで津田教授は水俣病をはじめ、多くの公害裁判で、意見書を数多く書いてきた専門家で、1年間に3人の子供たちから、甲状腺ガンが見つかったことに対して「けして少ない数字ではない」との意見を発表している。


 福島県が甲状腺検査を行ったのは3万8114人で、そのうち3例が発見された。これを受けて、マスコミの多くはWHOの発表どおりに、「多い数字ではなく、今後の増加の可能性についても否定的見解」を報道している。

 津田教授はこうした流れに反して、「被曝の影響は否定できない」と危惧感をあらわにしている。津田教授の論拠は簡単にいえば、以下のようなものだ。

 ~比較的稀な病気が、ある一定のエリアや時間に3例集積すると、「多発」とするのが、疫学の世界では常識。今回のケースは、わずか38,000人の調査で、1年の間に3例もの甲状腺がんが発生しており、「多発」と言わざるを得ない~。

 WHOといえば、個人的には去年、原発取材中に何度も、疑問を持たざる得ない組織だと感じた。私のその思いを代弁してくれるかのように、中部大学の武田邦彦教授がブログでまとめてくれている。


1) WHOは日本で考えられているような「世界の人の健康を考える中立的な機関」ではなく、政治的なもので、原発推進政策を採っている(IPCCなども含め、日本以外には「中立的な機関」というのは一般的にあり得ない)、


2) チェルノブイリ事故の時にWHOは2年目に「小児甲状腺ガンは出ない」と発表したが、その後、4年目から急激に出だして6000人以上に達し、現在(27年目)に至っても健康障害、寿命の低下などが起こっている、


3) WHOはみずからの判断ミスに対して、解析も反省もしていない。(原発短信 WHOの被曝評価から)


 そして、チェルノブイリ事故を起こしたロシアの研究者は、WHOの報告について、福島と限定された地域からとは違った視点でも疑問を呈している。


~福島第1原発事故は付近住民の健康へのリスクを高めたが、日本以外の地域には脅威を与えていない。世界保健機構(WHO)はこうしたレポートを発表した。ところがロシア人専門家らはこの視点は客観的なものではないとの考えを表している。ロシア下院(国家会議)天然資源、自然利用、環境問題委員会のマキシム・シンガルキン副委員長はWHOは常に自由な判断が出来るわけではなく、特に長期的に何百万人もの生活の質にかかわるような予測的状況の場合、それが認められるとしている(THE VOICE OF RUSSIA)~



さて、みなさんはどちらの声を信じますか?
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2013年3月6日水曜日

TPPの裏側について

 元外交官の正木直人さんのブログを読んでいると、今注目のTPPの話題がでていたので、興味をそそがれながら目を通してみると、びっくりする内容が書かれていた。

 要約すれば、米国の市民団体が、TPPについて秘密交渉を暴露したというものだ。その報道によれば、TPPについては、議会さえもその内容についてふれることができず、オバマ政権、正確にいえば「通商代表部」が勝手に進めていることを指摘している。

 これだけではなんのことかわからない人が多いと思うのでぜひ、それを扱った映像http://www.youtube.com/watch?v=HLVKAalmD48)をみてもらいたい。

 つまるところ、企業が国を相手取って裁判を起こすことができるISD条項を認めさせることで、協定を締結した国々において、国よりも企業の声の方が優先されるということだ。

 「何を当たり前のことをいっている。そんなことは前からわかってることだ」とお叱りを受けそうだが、この一連の暴露が、アメリカ国内で報道され、アメリカ国民でさえも、巨大企業の言い分を聞かなければならず大きな損失を被る恐れがあることが、論議のポイントだ。

 大げさに表現すれば、映画「ターミネーター」のように、一企業が世界を支配するかもしれない可能性があるということだ。

 そして今はアメリカ対日本という構図で、TPPを見つめているが、企業対国民ということになるのであれば、経済摩擦という点だけでは、語れなくなる。
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